木曽駒ヶ岳
  関係市町村のホームページから、下記の情報を見ることができる。
駒ヶ根観光協会
The Japan Alps

アクセス・交通12,
山麓の宿,山小屋:
日帰り温泉
登山ガイド:1,
 


アクセスと山麓の宿

:中央自動車道の駒ケ根ICで降りて、県道75号線から菅の台バスセンターの駐車場に車を泊める。ロープウエー発着駅までは、車の乗り入れが禁止である。バスに乗って駒ヶ岳ロープウエーしらび平駅で降りる。駒ヶ岳ロープウエーに乗って、千畳敷駅に着く。
電車・バス:JR中央本線の岡谷駅で飯田線に乗り継いで、駒ヶ根駅で降りる。バスに乗り、菅の台バスセンターで降りる。
山麓の宿:千畳敷には千畳敷ホテルがあるが、最盛期には予約がとりにくい。バス乗り場周辺の公共の宿は、国民宿舎すずらん荘と駒ヶ根ユースホステルがある。菅の台バスセンター近くにある早太郎温泉こまくさの湯などで汗を流そう。


登山コース

登山地図    GPC軌跡   鳥瞰図(カシミール3D) 高低図 
 千畳敷、駒石荘、桂木場および敬神ノ滝山荘からのコースがある。2600mの千畳敷まではロープウエーを使って容易に来ることができるので、ほとんどの登山者は千畳敷から山頂を短時間で往復する。その分、多くの時間を山の上で過ごしたり、カール内を周回するのに使うことができる。帰りに宝剣岳に登ってから、極楽平を経由して千畳敷に戻る方法もあるが、宝剣岳の登りは鎖場が連続するので、初級者には勧められない。

 千畳敷はカール地形であり、眼前には宝剣から伊那前岳につながる稜線が突き立っている。夏にはお花畑、秋には紅葉の景勝地として、多くの観光客が訪れる。

 マイカーを利用しない人は山頂から駒石荘に下山してもよいが、八合目から七合目にかけて悪路が続く上に、下山に4時間30分もかかる。

 マイカーで来ている健脚の人には、木曽駒ヶ岳に登頂後に宝剣岳から空木岳を縦走することを勧める。すでに木曽駒ヶ岳に登っているならば、それを紅葉の時期に好天に恵まれれば、最高であろう。
 


登山ガイド

アクセスと山麓の宿
 中央自動車道の駒ケ根ICで降りて、駒の池そばの国民宿舎すずらん荘で泊まる。ロープウエー発着駅までは、車の乗り入れが禁止である。特に、紅葉の最盛期(9月末まで)には、しらび平行きのバス待ちが長蛇の列である。早朝にバス始発駅の駐車場に着き、整理券をもらって早めにしらび平駅に着くことが肝要である。10月に入ると、紅葉目当ての観光客が減少するので、途中のバス停からでも乗ることができる。

日程 2008年9月24日から9月27日

2008 年9月24日 晴                       
千畳敷(
10:20)――→乗越浄土(11:05,11:20)――→宝剣山荘

11:30,12:00 )――→中岳(12:30)――→木曾駒ヶ岳(13:05,13:55

――→中岳(
14:30)――→宝剣山荘)(14:50
                          

 駒の池発のバスに乗り、しらび平駅に着く。10時発の駒ヶ根ロープウエーに乗り、10時10分に千畳敷に着く。標高2600mあり、眼前には絵葉書で見た千畳敷カールと、千畳敷カール越えの宝剣岳が望まれる。

 駒ヶ根神社に登山の安全を祈願後、カールの底へ向かって宝剣岳の下部を右へトラバースする。間もなく八丁坂で、カール内を周遊する道と合流する。分岐を左にとり、八丁坂の急な登りをジグザグに登る。観光客の間を縫いながら、石を敷いて作った登山路を登りつめると、乗越浄土の平坦な広場に出る。目の前には、宝剣山荘から続く中岳が見える。木曽駒ヶ岳は裏側にあり見えない。左には宝剣岳の岩峰が突き立っている。

 しばらく休憩後、5分歩いて今夜泊まる宝剣山荘に着く。荷物を置いて軽荷で出発する。中岳直下の斜面を登ると、優美な姿の木曾駒ヶ岳の全貌が見える。駒ヶ岳の鞍部までいったん下った所に、駒ヶ岳頂上山荘がある。砂礫の道を登り返すと、ひと登りで木曾駒ヶ岳の山頂に着く。
 
 快晴で東には南アルプスが屏風のように見え、北岳と農鳥の間から富士山が見える。西には昨日登った御嶽山、北にかけて乗鞍岳、北から東にかけて笠岳、穂高、槍ケ岳、裏銀座の山並み、八ケ岳、笠岳と穂高間の奥には立山と剣岳が望まれる。素晴しいパノラマ風景である。頂上で昼食を取りながら1時間近く休んだ後、もと来た道を下り、宝剣山荘に泊まる。

 
木曽駒ヶ岳

 山頂

2008年9月25日 強風と霧雨
宝剣山荘(
6:00)――→宝剣岳(6:20)――→極楽平(6:50)――→

濁沢大峰(
7:55)――→檜尾岳(9:20)――→熊沢岳(10:30 )――→

東川岳(
12:00)――→木曾殿山荘(12:15
                           

 早朝暗いうちからヒュウヒュウと風が唸る音が聞こえ、いやな予感がする。5時30分に朝食を食べ、6時に宝剣岳に向けて出発する。頂上に近づくに従って、鎖のついた登りやトラバースを慎重に登ると頂上に出る。頂上の岩峰は一人が立てるほど狭いが、先を急ぐので登るのを見送る。鎖場を慎重に下り、極楽平に出る。ここらで西よりの風(右側)が強くなってきて、体をしっかり保持していないと左に一、二歩持っていかれる。途中で40歳ぐらいの女性二名と同行する。大岩を鎖をもってよじ登り、島田娘のピークを過ぎる。小さなピークをいくつか超えて、濁沢大峰の岩峰まで来る。

 濁沢大峰から連続する岩場の道を一気に下降しながら、檜尾岳との鞍部に出る。10分間休憩するも、後続の二人の女性が見えないので出発する。強風に霧雨が混じりますます吹きすさんできた。稜線上なので風を避ける場所もなく、ただただ吹き飛ばされないように、霧雨が雨に変わらない内に先を急ぐ。鞍部から直線的に登り続けると、傾斜がゆるくなり檜尾岳山頂に出る。

 山頂を後にして大滝山を越えたあたりで、目の前に大岩が立ちはだかる。マークが見えないので、中央の垂直に近い岩場を強引に登る。途中で右側に三つのテラス(人工的に削ったもの)を見る。後ほど小屋で聞くと、大岩の基部を右にトラバースしてから乗り越えるが、マーキングと鎖及び手すりの取り付け整備が残されている危険箇所の一つであることが分かった。たどり着いた熊沢岳の頂上には巨岩がいくつも重なっており、木曾殿山荘まで2時間と赤ペンキで書かれていることで安堵した。

 熊沢岳を後に小さな四つのピークを登り下りすると、やがて五つ目のピークである東川岳の頂上に達する。晴れていれば三角形の空木岳が見えるはずであるが、視界はまったく無い。東川岳を急降下すると、12時15分に木曾殿山荘に到着する。12時45分には遅れていた二人の女性も到着した。木曾殿山荘へ向けて宝剣山荘を出発した27名の内、到着したのは3名に過ぎず、後の22名のツアー客は途中で引き返したことが後で分かった。60代の女性姉妹が到着しなかった。

 夜半から霧雨が大粒の雨に変わり、台風以上の暴風雨(小屋の主人談)が吹き荒れ、寝ていた2階がぎしぎしと鳴り、電車に乗っているように一晩中ゆすられた。寒冷前線が日本列島を通過していることが分かった。明日はまともにこのあたりにかかるようである。

2008年9月26日 強風雨のため木曾殿山荘に滞留
 昨夜、熊沢岳の稜線でビバークした二人姉妹(67歳と63歳)を助けるために、派遣された救助隊との緊迫した無線連絡が小屋に鳴り響く。午後2時に宝剣山荘のいがぐり頭の若い男が一人を抱えるようにして、午後3時には木曾警察から出た7名の救助隊が、残りの一人を抱えて到着した。弱っていたが、着替えをしてから暖かい飲み物を飲んで元気を回復した。強風雨の稜線上でよく耐えたと思う。やっと通じた携帯電話により、家族から救助要請がされたこと、レスキューマットを体に巻いて寒さをしのいだこと、歌を歌ったり、体をたたいたりしながら、眠らないようにしたと話していた。翌日の9月27日の早朝にかけて気温が零度以下に下がったので、一日違いで助かったと小屋番の人は話していた。足腰を痛めた二人は、9月27日の早朝に長野県警のヘリコプターで病院に収容された。

2008年9月27日 晴
木曾殿山荘(
7:00)――→空木岳(8:35,9:00)――→駒石(9:20,9:25

――→空木平分岐(
9:45)――→ヨナ沢の頭(10:45)――→マセナギ

11:55 )――→池山分岐(12:25,12:50)――→タカウチ場(13:15

――→林道終点(
13:30
                      

 朝の暗いうちに外を見ると、星が瞬いて山の稜線がくっきり見えている。とても寒くて、外にあるバケツの水が凍っている。5時に朝食をとる。これぐらいの風なら空木岳に登ることができるが、登山道の氷が解けるまで待ったほうが良いとの小屋番の意見に従って、7時に小屋を出発する。登山道には霜柱が花のように咲いている。それをぱりぱりと踏みながら登る。第1ピークの手前でストックをしまい、鎖と手すりの付いた岩壁を登り、山頂手前の岩峰を越える。更に砂礫の斜面を登ると、8時35分に空木岳の山頂に着く。東に屏風のような南アルプスと下に駒ヶ根市内、南に南駒ヶ岳から越百山、北に昨日越えてきた東川岳から熊沢岳の稜線がくっきりと見える。

休憩後、駒峰ヒュッテに下る。コースが二本あるが、左手の駒石のコースを歩く。巨岩の駒石を通りそのまま下る。小地獄、大地獄と呼ばれるやせ尾根を急降下し、マセナギを過ぎて原生林の中を池山分岐まで下る。池山小屋のベンチで昼食をとる。タカウチ場でタクシーに電話をかけ、林道終点まで迎えを頼む。

 
空木岳からの下り

空木岳を振り返る

東川岳、熊沢岳、檜尾岳の連なり

駒石の巨岩

千畳敷

八丁坂の登り

乗越浄土 

中岳 

宝剣岳
宝剣岳の山頂  
  檜尾岳

熊沢岳
木曽殿山荘

空木岳

空木岳山頂