北岳 
関係市町村のホームページから、下記の情報を見ることができる。
南アルプス市観光協会
南アルプス市
南アルプス芦安山岳館
The Japan Alps
アクセス・交通:, ,
マイカー規制: 
宿泊温泉・山小屋: , 2,
登山コース:, , 


アクセスと山麓の宿

車:中央自動車道の甲府昭和ICで降り、国道20号線を左折する。韮崎市内の竜王交差点を左折して、県道20号線を直進すると芦安温泉駐車場に着く。中央自動車道を北から来る時は、双葉ICから中部横断自動車を通って白根ICで降りる。芦安温泉から広河原までマイカーの乗り入れが規制されている。芦安温泉バス停から広河原行のバスに乗り、終点で降りて広河原山荘に泊まる。
電車・バス:JR中央線の甲府駅から、広河原、夜叉神峠登山口および芦安温泉行のバスが出ている。
山麓の宿:広河原山荘に前泊する。下山後に芦安温泉ロッヂなどに泊まり、疲れを癒してから帰宅しよう。


登山地図と登山コース

登山地図  GPC軌跡    鳥瞰図(カシミール3D) 高低図
 広河原から大樺沢を登るコースと、白根御池小屋から草スベリを登るコースがある。大樺沢コースは二俣から、右俣コースと左股コースに分かれる。左股コースから八本歯ノコルに登る際には、落石への注意や急な梯子が続くので、下りに利用する。右俣コースを登り、小太郎尾根分岐経由で山頂に着く。分岐までは北岳バットレスを左に眺めながら登り、山頂を正面に見ながらの稜線歩きは素晴らしい。

 大樺沢コースと白根御池小屋経由コースを比較すると、前者は大樺沢二股まで720mを徐々に登った後で、小太郎尾根分岐まで630mを急登する。後者は大樺沢の途中から580m急登し、白根御池小屋から草スベリを600m急登して小太郎尾根分岐に出る。両コースを比較すると、標準登山時間では前者が45分短い。
 北岳肩ノ小屋で泊まって、八本歯ノコル経由で下山する2泊3日の日程を勧める。1泊目を北岳山荘まで足をのばすことができれば、1泊2日で間ノ岳を合わせて登ることができる。一日目を北岳肩ノ小屋泊、二日目を間ノ岳に登ってから北岳山荘泊とするのが、2山登山の標準日程である。 
 


登山ガイド

アクセスと山麓の宿
 中央自動車道の韮崎ICで降りて、国道52号線から芦安温泉に向かう。バス停の下側に市営駐車場がある。下山後にバス停向かいの南アルプス温泉ロッヂに宿泊する場合には、ロッジ横の駐車場に車を置くことができる。
 芦安バス停登山口のある広河原までは車の乗り入れが禁止なので、連絡バスに乗り換える。13時のバスに乗って標高1500mの広河原バス停に14時5分に着く。野呂川沿いに戻ってから、橋を渡って広河原山荘に14時25分に着く。紅葉最後の週末の日曜日とあって数十人の下山客と会ったが、今日、広河原山荘に泊まる宿泊者は3名に過ぎなかった。川沿いから見上げる斜面は紅葉の真っ盛りである。山頂に雪が来る最後の山行きになる。

日程 2008年10月20日から21日 

10月20日 晴
広河原山荘(6:25)――→大樺沢二股(9:00,9:15)―→小太郎尾根分岐

(11:35,11:50)―→北岳肩ノ小屋(12:25,13:05)―→北岳(13:55,14:10)

―→池山吊尾根分岐(14:30)―→北岳山荘(15:15) 
                                 

 広河原から北岳に登るには大樺沢と白根御池小屋経由の2コースがある。「登山コース」に書いたように、標準登山時間では前者が45分短いので、大樺沢二股から小太郎尾根分岐を急登するルートを選択した。

 広河原山荘を6時25分に出発する。大樺沢に沿って樹林帯の中の石ころの道を30分ぐらい歩くと、白根御池小屋分岐に出る。それを見送ってなおも大樺沢の左岸に沿って徐々に登る。途中、崩壊地を避けて右岸を高巻き、また左岸に戻る。緩やかな道を登ると、正面の沢にかかる切れた雪渓と北岳バットレスが迫ってくる。9時に標高2230mの大樺沢二股に着く。数日前に積もった雪が日陰に残り、岩肌が白く見える。北岳バットレスを見ながら、ゆっくり休憩する。トイレがすぐ上にある。

 15分間休憩後、沢から離れて右股コースを小太郎尾根分岐目指して直登気味に高度を稼ぐ。11時35分に分岐に着く。この間のコース時間が3時間となっているが、健脚の人ならば2時間余りで登ることができる。一気に眺望が開け、甲斐駒ヶ岳と千丈ヶ岳が眼前に全容を現す。

 写真を撮りながら、北岳に延びる小太郎尾根を登り詰めて岩場を越えると、12時25分に北岳肩ノ小屋に着く。木のベンチに腰を下ろして、昼食の弁当を食べる。小屋の人達が冬を迎えるため、小屋を閉める準備をしている。

 13時5分に北岳に向けて出発する。露岩帯の急坂を両俣小屋分岐まで登り、緩くなった岩場をさらに登ると13時55分に北岳の頂上に達する。東から反時計回りに雲海から姿を現す富士山、稜線が白砂で覆われた鳳凰三山、花崗岩が目立つピラミッド型の甲斐駒ヶ岳、大きな山容の千丈ヶ岳、南に間ノ岳と農鳥岳が悠然とそびえている。山頂には登山者は誰もいなくて、絶景を独り占めである。
 
 14時10分に頂上を後にして、正面に間ノ岳を望みつつ、やせた露岩帯を注意しながら下る。20分で池山吊尾根分岐に着く。左に八本歯に続く道を見送って、分岐を直進すると赤い屋根の北岳山荘が見えてくる。露岩帯の細い尾根をなおも注意しながら下ると、15時15分に北岳山荘に着く。今日の宿泊客は3名であった。夜は寒くて、食堂ではストーブを焚いている。


北岳山頂

北岳から望む富士山


10月21日 晴
北岳山荘(7:30)――→中白根山(8:05,8:10)――→間ノ岳(9:20, 9:40)

――→中白根山(10:50)――→北岳山荘(11:20, 12:20)――→

八本歯のコル(13:40, 14:35)――→大樺沢二股(15:35)――→

広河原(17:00)
                                   

 素晴らしい日の出と裾野を引いた富士山が小屋の窓から望める。今日も快晴である。昼食の弁当を持って、7時30分に間ノ岳に向けて出発する。夜間に気温が零度以下に下がり、霜柱が立ち、日陰の岩に霜がついて滑りやすい。35分間緩く登り詰めると、中白根山に着く。ここからは膨大な間ノ岳尾根の右肩上に、山頂が望まれる。

 中白根山から、いくつかの小さな岩峰を注意しながら越えると、9時20分に間ノ岳山頂にたどり着く。北岳から4m低いだけの日本第4位の高さを誇る。頂上手前の広い露岩帯で登山路を左にはずしたが、すぐ小ピークに立つポールまで戻る。山頂手前はなだらかで広いので見通しが悪い時に迷わないように、途中の小ピークの石台に鉄のポールが3箇所に立っている。山頂から振り返った北岳は鋭さを増して見え、富士山の裾野には雲がかかってきた。西南には三峰山を越えて塩見岳が望まれ、素晴らしい眺望である。しばらく休憩する。


 間ノ岳山頂から見る北岳

間ノ岳山頂

 9時40分に頂上を後にして、11時20分に北岳山荘に戻る。小屋の中で弁当を食べてゆっくりする。1時間後に小屋を出発して、稜線下の稜線上とほぼ平行な道をたどり池山吊尾根分岐との道に合する。途中には所々に高山植物が見られる。切れ落ちた岩場に付けられた丸太や木の梯子をいくつも通過する。巨岩の累積した尾根を下る。木製の二本の長い梯子を下って降り立った地点に、左の大樺沢二股へ下る下山口がある。下山口は八本歯のコルの最低地点の20m手前にあるので、コルの最低地点まで行き過ぎないように注意する。ここで休憩する。

 コルから木の階段が続く道を急下降して、15時35分にやっと大樺沢二股に着く。大樺沢の上部には、ズタズタに切れた雪渓がかかっている。最終のバスが17時15分なので、間に合うように広河原まで小走りで下る。17時に広河原のバス停に着き、ほっとする。コルから広河原までの標準時間は2時間55分であるが、それをノンストップの2時間25分で下った計算になる。南アルプス温泉ロッジ行きのバスに乗り、宿泊地の芦安温泉ロッジに到着する。1週間後には、南アルプスはすっかり雪に覆われた。


広河原山荘

大樺沢二股

北岳バットレス

小太郎尾根から望む甲斐駒ヶ岳

小太郎尾根から望む千丈ヶ岳

北岳山荘 

北岳山荘から見る富士山

中白根山から見る北岳 

中白根山から見る間ノ岳  

八本歯のコルへの下り