聖岳 
  関係市町村のホームページから、下記の情報を見ることができる。
遠山郷観光協会
The Japan Alps

アクセス・交通:, ,
山小屋:,
宿泊温泉
登山コース:, 登山情報


アクセスと山麓の宿

車:中央自動車道の飯田インターを降り、飯田市内から弁天橋を渡って、富田郵便局から251号線に出る。右折してから矢筈トンネルを抜け、橋を渡ってから道なりに右折して152号線(秋葉道路)に入る。11q走って上島トンネル手前の道路右側に見える「南アルプス登山口、便ヶ島・易老度方面」の標識に従って、斜め右側から入る林道赤石線に入る。すぐに152号線を乗り越えて道なりに進むと、左から下栗の里からの道が合流する(上段のアクセス・交通1のPDF参照)。この先の山道は悪路が続き、所々で小規模な土砂崩れがある。北又渡の標識に従って進むと、間もなく北又渡の発電所に出る。
 橋を渡って対岸に出る。ここからはところどころで舗装が途切れて、がたがた道で難渋する。最後に橋を渡って右岸に渡る。ここから易老度への登り始めの道は最悪であり、えぐれた河原をぬって走る様である(上島トンネルから易老度までの道路地図は、上段のアクセス・交通1のPDF参照)。 セダンタイプの車ではどうしても車の底や両横の下側を路岩にぶつけてしまうので、床の高いスポーツ用多目的車(SUV)などで行くことを勧める。聖岳を往復するときは、狭い道路(一部舗装)を進み便ヶ島駐車場に車を泊める。光岳も合わせて登る時には、下山口の易老度の駐車場に車を泊める方が良い。
 
2023年7月の大雨により道路が不通になった箇所(芝沢ゲートから1Km先について)歩行者のみ通行できる迂回路が7月13日から通行可能となります。詳細は飯田市建設部維持管理課(0265-22-4511)に問い合わせるか、遠山郷観光協会の交通情報をご覧ください。
電車・バス:便ヶ島・易老度へのバス便はない。JR飯田駅からタクシーに乗り合わせる。
山麓の宿:
山麓にある遠山郷には、公共の宿から民宿までいろいろの宿がある。下山後には152号線沿いにある「かぐらの湯」で汗を流して、近くの宿に泊まって疲れをとってから帰ろう。


登山地図と登山コース

登山地図     GPC軌跡 鳥瞰図(カシミール3D)   高低図 
  聖岳を北として、聖岳から光岳まで南北に山脈が走る。聖岳に登るには、長野県側の便ヶ島登山口、静岡県側の東俣林道茶臼岳登山口あるいは椹島登山口からのルートが一般的である。便ヶ島あるいは椹島から2泊3日で山頂を往復するのが最短コースである。交通の便を考えると、椹島から山頂を往復するのが良いだろう。

 百名山登山を目指す方には、光岳を後に残してしまう人が多い。標準日程は3泊4日の健脚コースになるが、聖岳と光岳を同時に登ることを勧める。

 その時には、易老度の駐車場に車を泊めて、このHPに従って登山するのが良い。体力勝負なので、日頃の訓練を怠りなく、体調を十分に整えて挑戦してみよう。
 


登山地図と登山コース

アクセスと山麓の宿
 中央自動車道の飯田インターを降り、飯田市内から矢筈トンネルを抜けて152号線方面に右折する。上村小学校の手前(本谷口)で、「下栗の里」の道路標識に従って斜左の村道を登る。急傾斜の狭い一車線の道をくねくねと走ると、道がY字に分岐する。その突き当たりの標識に、右側は「易老度」、左側は「高原ロッジ下栗」と書いてある。始めて易老度と出てくるのでほっとする。左側の高原ロッジ下栗方面に1.1km走ると、高原ロッジ下栗に到着する。元の上村小学校下栗分校跡地に建っており、現在は村営から個人管理になっている。横にはおいしい食事処の蕎麦屋さんがあり、週末には賑わっている。今日はここで泊まる。

日程 2010年9月2日から9月5日

9月2日 晴時々曇り
高原ロッジ下栗(8:50)→便ヶ島(9:30)→西沢渡→苔平(12:05,12:35)

―→薊畑分岐(14:00,14:10)―→聖平小屋(14:25 )
      

 Y字の分岐点を易老度方面に曲がる。民家が散在する一車線の狭い道をくねくねと下る。対向車が来ればよける場所が見当たらない。細い山道を注意しながら進むと、右側から入る国道152号線と交差するが、道なりに左に入る。この先の山道にはこぶし大の土砂が散らばり、これから先数箇所で土砂崩れがあるが、車が通れる分しか空けてない悪路が続く。易老度の表示はなく心配になるが、北又渡の標識に従って進むと、間もなく北又渡の発電所に出る。橋を渡って対岸に出る。

 ここからはところどころで舗装が途切れて、がたがた道で難渋する。最後に橋を渡って右岸に渡る。ここから易老度への登り始めの道は最悪であり、えぐれた河原をぬって走る様である。易老度の駐車場が見えたときにはほっとする。20台は駐車できそうで、トイレもある。駐車場に7時30分に着いたが、すでに15台ぐらいの車が駐車している。この先の便ヶ島までは車で入れるが、光岳から下山した時に近い易老度に駐車する。

 途中の隧道を通り遠山川の右岸沿いに35分間歩いて、便ヶ島に着く。この間の道は細いが、悪くはない。聖岳の登山口に聖光小屋がある。登山口から樹林帯の道を登り、隧道を抜けて森林鉄道跡の道を歩き始める。西沢渡には対岸への運搬用に金属製のゴンドラが設置されているが、すぐ下の川にかけられた木の橋を渡って対岸に渡る。大水で橋が流されている時には、ゴンドラに乗って対岸に渡る。ロープのたるみが上りに入ると、引っ張るのにかなり力がいる。

 西沢渡の1097mから薊畑の2415mまで、尾根の急登(標高差1320m)が始まる。樹林帯の中を5分間歩くと、今は廃屋になった営林署の小屋が現れる。カラマツ林の中を登り詰めていくと、傾斜がゆるやかになり林床に苔がついた苔平にでる。ここで30分間弁当を食べる。シラビソ林をトラバース気味に登りきると、ガレ場の上部に飛び出す。ここが薊畑の分岐点で、ベンチが置いてある。右の谷川から吹いてくる風が心地よい。

正面には小聖岳、そこから右側には南岳、上河内岳、茶臼岳と並んで見えるが、光岳はどれか確認できない。景観を楽しんだ後、聖平目がけてゆっくり下り始める。薊の群生地が金属のネットで囲われて、鹿の食害から保護されている、周りはトリカブトの群生地が転々と広がっている。鹿が食べないので、食害から守られているためである。聖平に出てから分岐を左に200m進むと、14時30分に聖平小屋に着く。前面はキャンプ指定地であり、小屋の前に引かれている蛇口をひねると、いつでも水を飲むことができる。自炊やテント泊のグループがベンチに座って、楽しく過ごしている。


 
薊畑

聖平小屋
 

Y字分岐点 右は易老度、左は下栗
  高原ロッジ下栗

 易老度駐車場

 便ヶ島にある聖光小屋

 便ヶ島登山口

 西沢渡の徒渉
9月3日 晴時々曇り 
聖平小屋(5:50)――→薊畑(6:10)―→小聖岳(7:05 )――→前聖岳

(8:30,9:15)――→小聖岳(10:10,10:20)―→薊畑(11:00,11:45 )―→

聖平小屋(12:00 )
          
 
 5時50分に聖岳に向けて出発する。前日に歩いた道を薊畑まで登り返す。薊畑から登を抜けて森林限界に出る。間もなく、展望のよい小聖岳に着く。前に小聖岳が大きな山容を見せている。休憩無しでヤセ尾根を越したところで、休憩をとる。広い斜面をジグザグに登り詰めると傾斜がゆるやかになり、8時30分に台状に広がった頂上に飛び出す。北には赤石岳、百間平を経ては百間洞小屋から兎岳、南には上河内岳から光岳の稜線が見渡せる。広い台状の尾根からゆるやかに下って奥聖岳との中間まで行くが、途中で引き返す。
 
 登ってきた道を引き返して、薊畑で光岳までの稜線をゆっくり眺めてから12時2分に聖平小屋に着く。ライスカレーの昼食をベンチで食べる。明日の光岳までの縦走に備えて、小屋の前でゆっくり過ごす。木の立て看板を見ると、聖平の鹿による食害について写真付きで説明してある。小屋から聖平分岐側の100mが裸地化しているが、それは鹿が高山植物を好んで食べ、足で掘り返したのが原因であるそうである。現在はむしろをかけて植生保護をしてあるが、昭和63年まではニッコウキスゲの群落であったことが分かる。鹿による食害が特に南及び中央アルプスで広がっていて、あちこちで高山植物の群落が貧弱になっている。

 

 前聖岳から望む富士山
  光岳に続く山脈

 小聖岳から望む聖岳

 前聖岳への登り

 前聖岳の山頂
9月4日 晴時々曇り
聖平小屋( 5:05)――→南岳(6:45)――→上河内岳肩(7:30 )――→

上河内岳(7:40,7:50 )―→上河内岳肩(8:00)→茶臼岳分岐(9:00.9:20)

――→茶臼岳(9:35,9:45)――→希望峰(10:45)――→易老岳(12:00)

――→三吉平(13:00,13:15 )――→光小屋(14:35 )
           

5時5分に聖平小屋を出発する。聖平分岐を左にとり、南岳へ向けて樹林帯の中を420m登る。着いた頂上はハイマツの茂る平坦地で、目の前に上河内岳が聳えている。稜線を少し下ると、7時15分に上河内岳の肩に着く。ここでザックを下ろして、小石の道を10分登ると、頂上に着く。展望は雄大であり、北から右側がやや下がった台形の聖岳、肩から頭を出している悪沢岳、赤石岳、南には茶臼岳から易老岳、光岳への山並みが見渡せる。

 上河内岳の肩でしばらく休憩後、竹内門を通り過ぎ平坦な地形に入っていく。ここからなだらかな縦走路をしばらく行くと、やっと茶臼岳分岐に着く。ここで休憩する。茶臼岳を越えて左に仁田池を見ながらまばらな樹林帯の中を少し登ると、希望峰に着く。休憩後、一度下ってから登り返すと、12時に易老岳の頂上に着く。そこを少し下ると、易老渡と光岳の分岐に着く。

 左の光岳に向かって、樹林帯の中を小さな登り下りを繰り返しながら下って行く。13時に薄暗く平坦な鞍部の三吉平に着くので休憩する。ここから石が多く露出した涸れ沢の登り返しは、長時間歩いてきた後だけにつらい。涸れ沢を過ぎるとハイマツ帯になり、斜面がゆるやかになると、イザルガ岳分岐を経て静高平に出る。左の林の淵からの湧水は、今の時期には枯れている。センジヶ原を眺めながら木道を進むと、光小屋に着く。

 25名ぐらい泊まっていたが、小屋で食事をした人は7名だった。後で宿泊者から聞いた話では、50歳以下の人は自炊するのが小屋の主義であるとのことである。また、宿泊申し込みをする際には遠山郷観光協会に電話をかけて(0260−34−1071)、小屋の衛星電話番号を聞くことが必要である。また、静岡県が小屋を建てて、管理を管理人に任せている。このやり方は聖平小屋でも同様である。


  イザルガ岳分岐
光小屋

 上河内岳から望む聖岳

  奇岩竹内門

 希望峰 

易老度分岐
9月5日 晴れ後曇り
光小屋(6:15)――→光岳(6:25,6:35 )――→光小屋(6:45)――→

センジヶ原分岐(7:05 )――→イザルガ岳(7:15,7:20)―――→

センジヶ原分岐(7:30 )―――→三吉平(8:15)――→易老渡分岐

(9:20,9:30)――→面平(11:30,11:40)――→易老渡(13:00)
          

 6時15分に光小屋の裏から光岳に向けて出発する。樹林帯を7分間登ると、光岳の小さなピークに出る。見晴らしは悪いが、さらに2分進むと展望台に出る。樹林間から聖岳を望むことができる。さらに10分間進むと光石へ至るが、今日の行程が長いので止めて光小屋に引き返す。

 光小屋からセンジヶ原の分岐を右側(東)に10分登り、イザルガ岳に寄る。広い頂上には遮るものがなく、360度の眺望を楽しむことができる。南アルプスの中でも屈指の展望地である。北の聖岳から、悪沢岳、赤石岳、上河内岳、東に富士山が広い裾野を引いて見える。イザルガ岳に戻って来た道を戻り、9時25分に易老岳直下の分岐に着く。10分間休憩する。

 分岐を左の易老渡に進み、展望のないシラビソ林の中を下る。90m下ると広いピークに出る。ここが2234mの三角点がある場所である。大きな尾根の中央を急降下すると、広々とした平坦地に出る。ここが面平と言われるところであり、標高は1494mである。5分間休憩する。

 広葉樹林帯の中の急坂を大きくジグザグを切りながら下っていく。膝が痛くなってくるので、急がずゆっくりを心がけて下り続ける。川音が大きくなってくると、間もなく遠山川にかかる橋に出る。橋を渡りきり道を右に数分歩くと、標高870mの易老渡の駐車場に着く。実にきつい一気の下りでした。
 「高原ロッジ下栗」の宿で、ゆっくり疲れを癒す。


 イザルガ岳山頂

 易老度登山口

  光小屋からの日の出

光岳の山頂

 イザルガ岳から見る光岳