宮之浦岳
関係市町村のホームページから、下記の登山情報を見ることができます。
屋久島観光協会
屋久島観光センター

アクセス, 島内交通手段
宿泊
避難小屋1,     
温泉
登山ガイド, 登山, 登山届


アクセスと山麓の宿

飛行機・船:宮之浦岳のある屋久島へ行くためには、飛行機か船を利用する。飛行機便では、鹿児島-屋久島便、大阪(伊丹)-屋久島便と福岡−屋久島便が就航している。船便では、鹿児島本港南埠頭から宮之浦港まで、ジェットフォイルとフェリーが運航している。
バス・タクシー:
淀川登山口に行くためには、バスで宮之浦港-空港前-屋久島自然館-荒川三叉路経由で紀元杉まで入り、そこから30分歩く。タクシーに乗ると、直接淀川登山口まで行くことができる。なお、荒川登山口へ行くためには、屋久島自然館で荒川登山バスに乗り換える。
山麓の宿:
宮之浦や安房などに、ホテル、旅館、ユースホステルや多くの民宿がある。また、三か所のキャンプ場もある。


登山地図と登山コース

 登山地図  GPC軌跡    鳥瞰図(カシミール3D) 高低図  
 屋久島は平成5年12月、白神山地とともに世界自然遺産として登録された。宮之浦岳はその最高峰であり、海上からは宮之浦岳を中心とする山脈がよく見える。海岸線では亜熱帯性植物が見られ、山麓部は屋久杉で覆われ、山頂部では冬季には雪山に変わる。世界的にも珍しい垂直分布を示す。

 登山コースは、淀川登山口、荒川登山口と白谷雲水峡から延びているが、ここでは、淀川登山口から白谷雲水峡へ縦走する2泊3日のコースを紹介する。途中にある三か所の避難小屋は無料ですが、無人である。トイレ、水場、テント場は各小屋にあるが、自炊用具、シュラフ、マットを持参すること。夏山の最盛期や5月のゴールデンウィークの混雑時には、小屋に泊まれない場合に備えてテント一式も持参する必要がある。


登山ガイド

アクセスと山麓の宿
 
富山空港から羽田空港を経由して鹿児島空港で降りる。そこで、エアコミューター機に乗り換えて、13時30分に屋久島空港に着く。タクシーに乗り、途中のホームセンターでガスカートリッジと点火用ライターを購入後、淀川登山口に向かう。紀元杉のバス停でタクシーを降りる。料金は7450円なり。紀元杉を見てから、15時に淀川登山口に到着する。

日程 2009年5月12日から5月14日

5月12日 うす曇、夜半まで時々小雨
淀川登山口(15:20)――→淀川小屋(15:55) 
                    

 15時20分に淀川小屋に向けて木段を登りだす。ゴールデンウィークを過ぎて混んでいないので、テント無しのザック重量は12.5kgである。木の根が露出していて歩きにくいところもあるが、木道や階段が整備されていて多くは歩き易い。何回かの登り降りを繰り返して、涸れ谷を横切ると15時55分に無人小屋の淀川小屋に着く。1階の奥に寝る場所を確保する。ザックや靴は小屋の中に持ち込めないので、小屋の山側にある物置に置く。土間の周りを囲む板の間で寝るので、マットは必需品である。

 横を流れる小川から汲んだ水を沸かして、それをアルファ米の袋に入れて蒸らした後で、暖めたレトルトのハヤシライスをかけて食べる。途中で頂上から地元の中学生21名が下りてきて、にぎやかになった。食事を食べ終わった頃からぽつぽつ雨が降ってきた。宿泊者は中学生を入れて、30名弱で余裕があった。

淀川登山口

淀川小屋

5月13日 晴時々曇
淀川小屋(6:15)――→高盤岳展望所――→花乃江河(7:50,8:00 )―→

投石平(8:40,8:50)―→宮之浦岳(10:45,11:40)―→焼野三叉路(11:55)

――→平石展望台(12:20)―→第一展望台―→新高塚小屋(14:05)
                

 曇り時々雨の天気予報がはずれて、晴れ間が覗いている。昨夜に作った山菜おこわの半分を食べてから(残りはおにぎりにして、昼食用)、6時15分に出発する。すぐ淀川を渡り、高盤岳から伸びる尾根をジグザグに登る。傾斜が緩むと休憩所があることになっているが、気がつかなかった。快調に飛ばすと、間もなく7時20分頃に小花乃江河に着く。立ったまま、しばらく休憩する。

 荒川の源流に開けた湿原で、屋久杉の枯れた老木が立っている。湿原を横切って、正面の丘を越えると、登山道が四方から集まる花乃江河に7時50分に着く。ここは山上の楽園を思わせる湿原で(今年は雨不足でしっとり濡れた感じはなかった)、正面には黒味岳が望まれる。季節が早くて花は見られないが、沼には沢山の黒いおたまじゃくしが泳いでいた。ザックを降ろして10分間休憩する。

 黒味岳の分岐を過ぎてから山麓を巻くように登って行くと、斜面に大岩が点在する投石平に着く。平といっても登山道脇がロープで囲われていて、腰を下ろす場所は少ない。10分間休憩後、80mを急登してから、左に巻くように進むと登山道の右上に遭難碑を見る。

 安房岳と翁岳の西面をトラバースしてから、流れに沿って少し下がる。水場から左上にそびえる栗生岳の巨岩を目指して、ジグザグに登る。栗生岳を越えると始めて宮之浦岳の全貌が見える。クマザサの間を緩く登っていくと、露岩が散在する宮之浦岳山頂に10時45分に着く。曇り空であるが頂上は風が強いので、風下で55分間昼食をとる。雨に降られることが多いが、嬉しいことに晴れて視界も効く。北方向にある開聞岳は、霞んで見えない。


宮之浦岳山頂

振り返って見る宮之浦岳

 山頂からクマザサの間を急降下すると、焼野三叉路に出る。ここから稜線を少し登り返すと平石岩屋がある展望台に出る。ここから短い岩場を下り、なおも稜線を行く。坊主岩を左に見送ると、間もなく新高塚小屋に着く。二階に場所を確保してから、レトルトのハヤシライスを作って食べる。宿泊者は12名ぐらいで、小屋は空いていた。顔ぶれは淀川小屋での顔ぶれとほとんど同じで、親しみが持てる人ばかりであった。

花乃江河

小揚子川源流部から見る宮之浦岳

平石岩屋

新高塚小屋

5月14日 晴時々曇
新高塚小屋(5:35)――→高塚小屋(6:25)――→縄文杉( 6:40,6:50)

――→ウイルソン株(7:50,8:05)――→大株歩道入口(8:30,8:40)――→

楠川歩道入口(9:45,10:00)――→辻峠(10:50,11:25)――→白谷山荘

(11:40,11:50)――→楠川歩道出合――→さつき吊橋――→白谷広場

(12:50)
             
                         

 昨夜に作ったピラフを半分食べてから、新高塚小屋を5時35分に出発する。しばらく急降下すると、高塚小屋に着く。サルが木の新芽を食べながら騒いでおり、鹿が見られる。高塚小屋の手前を右側に下ると、すぐに縄文杉前のデッキに出る。縄文杉は数千年といわれ、屋久島の中では最大級の古木である。縄文杉前には誰もいなくて、木漏れ日が幹に当たって光輝いている。10分ぐらいは景色を独り占めである。後についてきた人と写真を取り合う。

 展望デッキを下り、木の階段と木道が敷かれた小さな谷を数本越えて、木の根の露出した道を進む。途中に夫婦杉、大王杉を見過ごしてから、急降下すると苔むした広場に出ると、ウイルソン株が現れる。下部の中は空洞で、小さな祠が祭られ、清水が湧いている。

 休憩後、しばらく下ると大株歩道入口に出る。橋を渡った先でトイレ休憩する。水洗、洋式できれいである。ここからは単調な軌道敷を歩き続けると、楠川分かれに着くので休憩する。楠川分岐から左の斜面を280m急登すると、辻峠に出る。ここから白谷雲水峡を下る。

 かって屋久杉の運搬に使われた石畳の道の両側には、伐採跡地、切り株や土埋木が散乱し、それらを苔が覆い、原始の森の様相を見せてくれる。白谷山荘からさらに下ると白妙の滝に出て、しばらく歩くと白谷広場に着く。白谷雲水峡には、中高校生やハイキングの家族が沢山登ってきていた。


辻峠

二代くぐり杉

白谷雲水峡案内図

飛流落しの滝


 途中で一緒になった人とタクシーに同乗して、宮之浦ポートサイドユースホステルに着く。そこは湾に面して立っており、外のテーブルでマーケットで買ってきた刺身と海鮮サラダを食べる。宿泊者は8名で全て外国人である。外国人は宮之浦岳には登らないが、ユースホステルに泊まって自分で立てた計画に沿って、ゆっくり島内を観光している。このユースホステルには、ツアーできている人は泊まっていない。


高塚小屋

縄文杉

ウイルソン株の前で

大株歩道入口

楠川分かれ手前の軌道敷