水晶岳
関係市町村のホームページから、下記の情報を見ることができる。
北アルプス山小屋友好会
三俣山荘
The Japan Alps

アクセス1, ,
山小屋1,
宿泊温泉 
登山ルート1, , 


アクセスと山麓の宿

車:大阪と名古屋から来る時は、国道41号線の高山から平湯、栃尾温泉を経て新穂高ロープウエー駅に向かう。スノーシェルターの中ほどに深山荘入口への道標がある。左折して4段ある登山者用の無料駐車場の一つに車を泊める。東京から来る時は、高瀬ダムから登る方がアクセスは便利である。その時は中央自動車道から長野自動車道に入り、豊科ICで降りる。北アルプスパノラマロードを通り、大町市内から高瀬ダム方面に登っていく。葛温泉を過ぎて七倉ダムを越えた七倉山荘ゲート横に、駐車場がある。そこから高瀬ダムまでは、特定タクシーを利用する。  
電車とバス:名古屋・大阪方面からはJR高山本線に乗り、高山駅で降りる。バスで新穂高温泉に着く。東京・新宿方面からはJR中央本線に乗り、松本駅で降りる。バスで新穂高温泉に着く。また、新宿、大阪、京都や名古屋からは、高速バスが出ている。
山麓の宿:登山口には新穂高温泉があるが、初日にわさび平小屋まで入っておくと、後の行程が楽になる。大町から入る時には、葛温泉か七倉山荘に泊まる。また、有峰の折立から登る時には、白樺ハイツや有峰ハウスで泊まる。


登山コース

 登山地図    GPC軌跡    鳥瞰図(カシミール3D, 下図)  高低図 
 水晶岳は北アルプスの最奥にあるので、水晶岳へ登る場合は鷲羽岳を合わせて登る計画を立てるのが良い。その際は新穂高温泉、高瀬ダム、折立から登るのが一般的だが、通常3泊4日の日程になる。

 マイカーを利用する場合には、関東圏の人にとっては高瀬ダムからのコースが便利であるが、歩き易さの点からは新穂高温泉から両山を一緒に登るコースを勧める。

 初日に双六小屋まで入ることができれば、2日目は水晶岳と鷲羽岳に登ってから三俣山荘に泊まり、3日目は新穂高温泉に下山することができる。


登山ガイド

アクセスと山麓の宿
 早朝に富山出発、国道41号線の神岡から、蒲田川に沿って新穂高ロープウエー駅に近づくと、スノーシェルターの中ほどに深山荘入口への道標がある。左折して4段ある登山者用の無料駐車場の一つに車を停める。そこから川沿いを5分歩くと、新穂高温泉駅に出る。

日程 2010年9月15日から9月17日

9月15日 晴れ後雨
新穂高温泉(
8:15)―→わさび平小屋(9:35,9:45)―→秩父沢(10:55

――→シシウドヶ原(
12:20 )――→鏡平山荘(13:10,13:30)――→

弓折岳分岐(
14:20,14:30)――→双六小屋(15:30
                  

 新穂高温泉駅から恵橋を渡って、蒲田川左俣沿いのコンクリート舗装の林道を1時間20分緩く登ると、わさび平小屋に着く。横にテント指定地がある。8年前にテント泊で笠ヶ岳に登ったことを思い出した。恵橋は架け替え工事のために、平成26年8月から平成27年3月まで通れないが、上流80mにある仮橋を迂回する。

 休憩後、双六小屋に向けて出発する。林道を20分歩いて出た橋の手前を、道標に従って左に入る。潅木の中を過ぎてガレ場を登ると、秩父沢に着く。この沢の水は飲むことができる。休憩後、木の橋を渡って対岸の涸沢状の道をひたすら登る。イタドリヶ原を過ぎたところで、黒い雲が出てきてバタバタと雨が降ってきた。早朝の天気予報通りで、今日の午後から明日まで雨である。

 シシウドヶ原、熊の踊り場を過ぎて、木道が現れると鏡平は近い。鏡池は槍ヶ岳と穂高連峰を写す展望所であるが、何も見えない。鏡平山荘で昼食をとる。新穂高温泉から鏡平山荘まで4時間55分かかった。コース時間より15分速かった。秩父沢から鏡平山荘までは、2時間15分の長い登りである。途中で休憩を入れながら、頑張って登ろう。

 潅木がまばらになった道を1時間10分登ると、弓折岳分岐の鞍部に出る。10分間休憩後、弓折岳の稜線を双六小屋に向けて進む。途中からトラバース気味になだらかに下り、双六池とほとりのキャンプ指定地を超えて15時30分に双六小屋に着く。弓折岳の稜線から双六小屋の間は高山植物の多い道だが、9月中旬では枯れてしまっている。休憩時間を除いて、6時間25分歩いた。標準コース時間より1時間20分速かった。雨の中とはいえ、快調であった。 




  わさび平小屋
  秩父沢
  鏡平山荘
  双六小屋

9月16日 雨
双六小屋(
7:10)――→三俣山荘(9:30,9:45)―→黒部源流(10:15

――→岩苔乗越(
11:20)――→ワリモ分岐(11:40)――→水晶小屋

12:20)――→水晶岳(12:55,13:10)――→水晶小屋(13:45)―→

ワリモ分岐(
14:20,14:25)―→鷲羽岳(15:30)―→三俣山荘(16:20
                           

 水晶岳に登ってから三俣山荘に泊まる予定であるが、強い雨が降っているので出発がどうしても遅れる。7時10分に出発して、双六岳の斜面を途中まで登ったところにある道標に従って、巻き道を経由して三俣山荘に向かう。途中にある三俣蓮華への分岐を見送ると、赤い屋根の三俣山荘が見える。ゆるやかに下っていくと間もなくある黒部五郎岳への分岐を過ぎると、9時30分に三俣山荘に着く。小屋番の人と相談した結果、行きは黒部源流経由で、戻りに鷲羽岳を経由することにした。その方がワリモ(北)分岐まで、30分は早く着けるそうである。

 15分休憩後、小屋の左横から黒部源流に下る。源流の手前にある「黒部源流石柱」から岩苔乗越をめがけて、黒部源流を左に見ながら登る。途中で対岸に渡り雨の中を登り続けると、11時20分に岩苔乗越に出る。ひと登りで着くワリモ(北)分岐で、主稜線上に延びる裏銀座コースと合流する。水晶岳が左に円弧を描いた稜線の先にかすんで見える。まだ先があるが、雨風の中で休憩や食事もとれず足取りが重い。出発時に意気投合して同行した若者には、先に行ってもらった。

   岩苔乗越    水晶小屋分岐


 稜線に沿って砂礫の道を登ると、水晶小屋分岐に出る。右に水晶小屋の赤い屋根が見え、真砂岳から来る裏銀座コースが合流している。小屋に寄らずに進み、手前の岩峰を越えて裏側から水晶岳に登る。相前後した同行者4名に「祝100名山完登」の幕を広げてもらって、写真を撮り、祝福を受ける。

  水晶小屋
 山頂で百名山完登祝い

 水晶岳を後にして、一気にワリモ(北)分岐まで戻る。ここから、稜線上をワリモ岳へ向う。ワリモ岳の山頂直下の岩場を、○が付いたペンキ印を頼りにたどる。間違った踏み跡があるので気をつける必要がある。補助ロープが付いた斜面をトラバースして下りきると、鷲羽岳の登りが始まる。

頑張って登りきった鷲羽岳頂上からは、水晶岳とワリモ岳が霧の合間に見えるだけである。雨が弱くなってきたのが嬉しい。頂上からジグザグに下る途中で、赤い屋根の三俣山荘が見え出すので力づけられる。16時20分に鷲羽乗越にある三俣山荘に着く。雨風の中を9時間10分の休憩と昼食なしの強行日程であったが、着いた時にはまだ余裕があった。

 夕食時に小屋の人から「この中に今日、百名山を完登した人がいる」と紹介されたので、「祝100名山完登」の幕を広げて、皆から祝福を受けた。
ありがとう。大学4年生の21歳から北アルプスに登り始め、地鉄立山駅上にある文部省登山研修所の春山登山研修で社会人登山リーダーの資格を取った。勤務先ではスキー・行楽・アルペンクラブに所属して、多くの山に登った。今と違って、登山者には若者が多く中高年の登山者はいなかった。山岳部やワンダーフォーゲル部合宿で、しごきによる死者が出て社会問題化された時代でもあった。読者の皆様は、そんな時代をご存知でしょうか。
 

  三俣山荘
  黒部源流・雲の平分岐(右)
  黒部源流石柱
  黒部源流 
  ワリモ岳から見る鷲羽岳

 鷲羽岳山頂
9月17日 霧後曇り
三俣山荘(
7:20)――→双六小屋(9:50)――→弓折岳分岐(11:20

―→鏡平山荘(
12:00,12:35)―→秩父沢(14:10)―→わさび平小屋

15:15,15:20)――→新穂高温泉駅(16:35
                                  

 霧の中、7時20分に三俣山荘を出発する。今日は往路を戻って、一気に新穂高温泉まで下る。途中の双六岳巻き道分岐点で、ケルンのそばにたたずむ雷鳥と出会う。双六小屋の上部から、樅沢岳に登る登山道を見上げる。いつか樅沢岳から西鎌尾根を通って、槍ヶ岳に行こう。

 弓折乗越まで来ても、槍ヶ岳にかかる雲は取れない。鏡平山荘を通過して、わさび平小屋で休憩する。16時35分に新穂高温泉駅に着く。林道のコンクリート路面を歩いている途中に、足をつく際に踵が痛くなってきた。長年ランニングを続けてきたランナーに起きる障害であるが、休めば治るので心配はない。

 通常は3泊4日のところを、2泊3日で雨の中を駆け抜けたハードな百名山登山であった。
 

 双六小屋から樅沢岳を見る
  弓折乗越