奥穂高岳 |
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関係市町村のホームページから、下記の登山情報を見ることができます。 ・上高地 ・北アルプス山小屋友紘会 ・The Japan Alps
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アクセスと山麓の宿
車:東京から来る時は、中央自動車度と長野自動車道を通って、松本ICで降りる。国道158号線を通って沢渡周辺の駐車場に車を泊める。そこから、上高地行きの連絡バスに乗る。関西や東海地方から来る時は、東海北陸自動車道を飛騨清見Jctで降りて、中部縦貫道に入り高山ICで降りる。国道158号線を通って平湯温泉のあかんだな駐車場に車を泊める。連絡バスに乗って上高地バスターミナルで降りる。 電車とバス:東京からはJR中央本線に乗って松本駅で降り、上高地行きのバスに乗る。関西や東海地方からは、JR高山本線の高山駅でおり、上高地行きのバスに乗る。東京、大阪、名古屋からは、上高地への直通バスがある。 山麓の宿:上高地で泊まるなら、西糸屋山荘別館、上高地キャンプ場ロッジ(自炊)が経済的である。横尾までの間に、明神館、徳沢ロッヂ、徳沢園、横尾山荘がある。 |
登山地図と登山コース
登山地図 | GPC軌跡 | 鳥瞰図(カシミール3D) | 高低図 |
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登山ガイド
アクセスと山麓の宿 高山から国道41線を通り平湯温泉奥のあかんだな駐車場に車をおいて、連絡バスに乗って上高地バスターミナルで降りる。 2011年9月27日から9月28日 9月27日 晴 上高地バスターミナル(5:05)―→明神(5:55)―→徳沢(6:45,6:55) ――→横尾 (7:55)――→本谷橋(9:05,9:15 )――→涸沢ヒュッテ (11:10,12:15)――→涸沢小屋(12:25)――→穂高岳山荘(15:10) 上高地バスターミナルを出発して見慣れた河童橋に出る。岳沢側から見た絵葉書のような穂高連峰がくっきり見える。混雑する観光客と別れて、梓川の左岸に沿って明神を過ぎ、徳沢のベンチで昼食をとる。かっては牧場として利用されていたので、今も緑の広場が残り、キャンプ指定地になっている。さらに梓川に沿って歩くと、横尾にでる。河童橋から横尾まで、前穂高岳から派生する明神尾根を回り込むように歩くので、梓川越えに明神尾根が姿を変えながら見える。横尾からは、前穂高岳が望める。上高地バスターミナルから横尾までの標高差は100mしかなく、山を見ながら清流に沿って歩くのは誠にすがすがしい。 横尾から槍沢を吊橋で渡り、横尾谷に入っていく。河原から樹林帯を抜けると、大岩の下に横尾岩小屋跡が見える。大岩の転がる急坂を登ってから、横尾谷の河原を左下に見ながら、緩く登る。間もなく左に見える屏風岩を回り込みながら行くと、本谷橋を渡る。河原で休憩する。 河原の上に急登後、右下に横尾谷を見下ろしながら屏風岩の裾を巻いて徐々に登る。傾斜が緩んだところで、横尾本谷を右に見ながら左の涸沢の谷に入る。岩や石の転がる涸沢を登っていくと、涸沢ヒュッテの赤い屋根が見えてくる。正面に前穂高岳とモレーン(氷河が押し出した堆積物)が見えてくると、間もなく涸沢小屋との分岐に出る。左の岩畳を頑張って登ると、涸沢ヒュッテの入口に飛び出す。 テラスに出ると、自分が山の懐に抱かれている感覚になる。左からギザギザの峰の上に立つ前穂高岳、吊尾根を経た右に奥穂高岳、鞍部にある穂高岳山荘、右に涸沢岳から北穂高岳に連なる穂高連峰はいつ見ても日本最高の山岳美である。涸沢ヒュッテ名物のおでんをゆっくり食べる。今年は紅葉が遅くて、ナナカマドは実だけ赤く葉はまだ青い。 涸沢ヒュッテからキャンプ場を横切って、北穂高岳への分岐を見送って左側の涸沢小屋の前に出る。ここから眺める前穂高岳は素晴らしい。小屋の前を通って岩の転がる斜面をジグザグに登ってから、砂礫に変わった斜面を左に横切りながら、ザイテングラード(稜線から側面に延びる支稜)の直下に出る。取りついたら休憩する場所がないので、ここで休憩をとる。 ザイテングラードを使うと一気に高度を稼ぐことができるが、落石による事故が時々起きている。危険な場所は気を抜かずに、急いで通過しよう。途中に数か所の鎖場があるが、中間にある鎖場から岩場の右端を梯子で乗り越える地帯については注意しよう。頑張って登り続けると白出のコルが近づき、穂高岳山荘が見えてくる。やっと小屋前の石畳が敷かれたテラスに出る。振り返ると、涸沢谷の左上に三角形をした常念岳が目立つ。前穂高岳から目を下に移すと、涸沢ヒュッテと涸沢小屋の赤い屋根がおもちゃのように見える。
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![]() 本谷橋 |
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![]() 涸沢ヒュッテのテラス |
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![]() 吊尾根 |
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![]() 北穂高岳 |
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![]() 涸沢のキャンプ場 |
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![]() 前穂高岳 |
9月28日 晴 穂高岳山荘(6:30)→奥穂高岳(7:20, 7:50 )―→紀美子平(9:25,9:40) ――→前穂高岳(10:25,10:40)――→紀美子平(11:20,11:40)――→ 岳沢小屋(13:50,14:00)――→上高地河童橋(15:45) 穂高岳山荘から難所の岩壁を登る。仰ぎ見ると怖そうだが、鉄梯子や鎖を便りに慎重に登れば、特別の心配はない。岩場を少し登ってから右に斜行し、二本の鉄梯子を登る。岩場を登ってから、岩場の下を右上に回り込み、しばらく砂礫の道を登る。春山に山頂からこの部分を下る際に、右に斜行せずに真っ直ぐ下る間違いを犯しやすい場所である。滑落事故が良く起きているので、下にネットが張ってある。岩壁を登りきってから後を振り返ると、穂高連峰の先に槍ヶ岳が鋭く聳え、右にジャンダルムの岩峰が眼に飛び込んでくる。圧巻である。尾根を登りきった山頂には岩が台状に岩が積み上げられ、祠が立っている。山頂からは、北に穂高連峰から槍ヶ岳に連なる峰々、南西にはジャンダルムから西穂高岳に連なる峰々が足元に広がる。さらには、乗鞍岳、富士山や南アルプスの山脈も眺めることができる。
道標に従って、山頂から吊尾根の岩稜をつたって南稜の頭に出る。鎖をつたって最低鞍部に下り立ち、それを越えて前穂高岳下にある紀美子平に出る。涸沢から見る吊尾根は優美なカーブを描いているが、鞍部までの下降には注意する。紀美子平にザックをデポして、前穂高岳の山頂を往復する。岩の堆積するガラ場を岩に書かれた矢印や○印をはずさないように注意する。ガラ場を登りきると、山頂に飛び出す。奥穂高岳から前穂高岳までの稜線がきれいに見渡せる。槍ヶ岳のピークの脇には、立山と薬師岳が望める。西には御嶽山と乗鞍岳が、南には南アルプスの後ろに富士山が裾野を広げている。この素晴らしい景色をを頭に刻み込みながら、紀美子平に戻る。
ここから北アルプス随一の急降下ともいわれる、重太郎新道を下る。下り始めの滑りやすい平たい数枚の大岩を、鎖をつかみながら慎重に下る。一番危険な下りで、足場が滑りやすい雨の日には、時々滑落事故が起きている。大岩の所々に足場が穿ってある。立ちはだかる小さな岩峰をひしゃげた鉄梯子で乗り越え、左に明神尾根を見ながら、慎重に岩稜を急降下する。岩場からダケカンバの混じってきた斜面をなおも下り、涸れた沢を右岸へ渡りきると、傾斜が緩み岳沢小屋の前に出る。途中にこの重太郎新道を登るツアーの登山客に出会ったが、いかにも辛そうであった。ツアー会社に言うが、岳沢を登らせるのは良くない。なお、以前にあった涸沢ヒュッテが雪崩で流されて、跡地に涸沢小屋として再建され、2011年5月から開業している。 涸沢小屋の下にある涸れた沢を左岸に渡って、ダケカンバの林の中に続く踏み石が程よく並んだ道を下る。途中からシラビソに変わった樹林帯の中を下り続けると、梓川右岸にある岳沢登山口に出る。そこから梓川沿いに歩くと、間もなく河童橋に着く。前穂高岳から吊尾根を経て至る奥穂高岳、さらに西穂高岳に連なる稜線を頭に焼き付けてから、上高地バスターミナルに着く。最後は疲れたが、西糸屋山荘別館に泊まって、疲れを癒す。ハードな登山でした。
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![]() 穂高山荘からの登り |
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![]() 登り途中の鉄梯子 |
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![]() ジャンダルム |
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![]() 山頂から槍ヶ岳に続く稜線 |
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![]() 吊尾根稜線途中から見る前穂高岳 |
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![]() 重太郎新道の下り |
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![]() 重太郎新道の下り |