黒部五郎岳 |
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関係市町村のホームページから、下記の情報を見ることができる。 ・The Japan Alps
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アクセスと山麓の宿
車:新穂高温泉から登る時には、国道41号線の高山あるいは神岡から新穂高ロープウエー駅に近づくと、スノーシェルターの中ほどに深山荘入口への道標がある。左折して4段ある登山者用の無料駐車場の一つに車を停める。そこから川沿いを5分歩くと、新穂高温泉バス停に出る。車で有峰奥の折立に入るためには、北陸自動車道の立山ICで降り亀ヶ谷温泉から有峰林道を利用するか、神岡の駒止橋のたもとから飛越林道を利用する。峠を越えて有峰記念館を過ぎると、折立の駐車場に至る。 電車・バス:夏季はJR富山駅から折立への直通バスが、1日3便ある(予約制)。所要時間は2時間(3,500円)。また、富山地方鉄道の有峰口駅から、折立行のバスが運行jしている。夏季には、東京、大阪、京都から、有峰口への直通バスが運行している。 山麓の宿:亀谷温泉の国民宿舎白樺ハイツ、有峰記念館前の有峰ハウス(要予約)で前泊するか、折立の野営場を利用する。新穂高温泉には、いろいろの宿がある。 |
登山地図と登山コース
登山地図 | GPC軌跡 | 鳥瞰図(カシミール3D) | 高低図 |
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登山ガイド
アクセスと山麓の宿 有峰林道から折立の駐車場に車を泊める。折立から薬師岳へは、すでに3回往復しているが、黒部五郎岳を残しているので、今回は太郎兵衛平から黒部五郎岳に登り、雲ノ平、太郎兵衛平を経由して、折立に下山することにした。 日程 2001年8月2日から8月5日 不足の写真を、頭川康昭・保美さんと田畑信子さんから提供を受けた。 8月2日 晴 折立(9:00)――→1971m三角点(10:25,10:40)――→五光岩ベンチ (11:45,12:00)―――→太郎平小屋(13:10) 休憩所の横から登り始めると、すぐ左に十三重の塔が現れる。1963年に冬の薬師岳で13人の愛知大生が大量遭難した慰霊碑である。ここから針葉樹林帯の中の急坂をジグザグに登り始める。夏でも日が遮られるのは嬉しい。途中で漫画の絵が描かれた看板があるところで、小休憩する。左の谷からの風が気持ち良い。さらに針葉樹林の中をがんばって登ると、小高い1871m三角点に出る。ベンチに座って薬師岳方面を眺めながら休憩する。 目の前のこぶ山を越えて、背が低くなってきた樹林帯の尾根を登って行く。間もなく草原が混じりだし、植生保護のために木道が敷かれている。草原の裸地には植生回復を図るための、土砂流出防止ネットが張られている。草原には、8月になると、ニッコウキスゲやキンコウカが咲いている。右側には積雪の深さを測る高いポールが建っている。 そこを過ぎると、裸地の中に敷かれた石畳の長い登りになる。足腰にはつらく当たり、日を遮るものはなく、夏には暑い。右の草原の下に、青い有峰湖が見下ろせる。間もなく五光岩のベンチに着く。三角点と太郎小屋のちょうど中間地点である。薬師岳を左に見ながら、休憩する。ここからは草原の中のなだらかな道をゆっくり登ると、太郎平小屋に着く。小屋の前のベンチに座り、持ってきた昼食を食べる。時間的にはまだ早いが、明日に備えてゆっくりする。 |
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8月3日 晴 太郎平小屋(6:40)―→北ノ俣岳(上ノ岳)(8:45,9:00)―→赤木岳 (9:30)→中俣乗越(10:10,10:30)→黒部五郎の肩(12:00,12:05) ―→黒部五郎岳(12:35,12:45)―→黒部五郎の肩(13:05,13:35) ――→黒部五郎小舎(15:15) 太郎小屋のそばに立つ道標に従って、北ノ俣岳(上ノ岳)に向かう。すぐ出る薬師沢への下りを左に見送って、太郎山の直下を通る。太郎山から少し下ると太郎兵衛平にでる。そこを過ぎると稜線への急な登りにかかり、降雨が山肌をえぐった溝に沿って登るようになる。 土砂流出を防止するために、木道が毎年整備され延びている。道が緩やかになったあたりにかけて、両側は見事な高山植物のお花畑になる。それを愛でながら登ると、北ノ俣岳の手前で右から飛越新道が合流する。北ノ俣岳の山頂で休憩する。太郎小屋の左下に、青い有峰湖を見下ろすことができる。 ここから黒部五郎岳の肩までは、大きなアップダウンもなく快適な稜線歩きである。薬師岳から水晶岳に至る稜線に囲まれた盆地の中に、広大な雲ノ平が見下ろせる。赤木岳の直下を東側に巻いて越え、中俣乗越に下る。稜線を最後に登ると、黒部五郎岳の肩に出る。ここにザックを置いて、山頂に登る。山頂には小さな祠がある。 黒部五郎小屋へ行くには山頂を越えて下る道もあるが、肩から黒部五郎のカールを下る道を選ぶ。カールの壁を急降下し、カールの底に出る。雷岩を過ぎて、清い水の流れを渡る。見上げると、カールの底から稜線にかけて岩が散りばめられ、山のロックガーデンのような景色が続く。まだかと思ったころに、やっと黒部五郎小舎の前に出る。右から、稜線越えの道が合流する。今日の小屋は結構混んでいる。食事後、階段を上った廊下に寝た。
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8月4日 晴時々曇り 黒部五郎小屋(6:35)――→三俣蓮華分岐(8:05,8:15)――→ 三俣山荘(8:45,9:20)――→黒部源流(9:50)――→祖父岳下 (11:15,11:40)――→雲ノ平山荘(12:15) 黒部五郎小舎の横から、熊笹を刈り払った後の岩の出る坂道を登る。登り終えてからなだらかになった道を右に回り込むと、三俣蓮華岳への分岐がある。それを見送って道なりに砂礫の道を緩く下って行くと、右から双六小屋からくる道と合流する。合流点を左に進むと、すぐ三俣山荘に出る。三俣山荘前のベンチで休憩する。北には鷲羽岳が迫り、東南には西鎌尾根の先に槍ヶ岳が穂先を突き立てている。 標識に従って、三俣山荘の横から岩が露出する道を下ると、黒部源流に出る。その手前に「黒部源流石柱」が立っている。黒部源流を渡って、岩の出るきつい急坂を息を切らせながら、ジグザグに登る。雲の平の台地が黒部川源流により削り取られた跡が、崖状の地形になって残っている。登りきって右に祖父岳を見上げる雪渓のあたりで、疲れて休憩する。雪渓の上を渡る風が心地よい。 木道をのんびりと進むと、スイス庭園に出る。ここは水晶岳を正面に見据える絶好の休憩ポイントである。ベンチに腰を掛けて、昼食の弁当を食べる。この雲ノ平へは、鷲羽岳へ登る際に薬師沢小屋から登ったことがある。すぐ先にある雲ノ平山荘で宿泊の手続きをしてから、スイス庭園やアルプス庭園を回ってのんびりと時間を過ごす。 雲ノ平山荘は2011年に改装が終わり、2012年から木の香りがする山小屋に生まれ変わっている。 |
![]() 三俣山荘から鷲羽岳(長谷川正敏) |
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![]() 雲の平から見る水晶岳 |
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8月5日 晴後曇り 雲ノ平山荘(6:40)――→薬師沢小屋(8:55,9:15)――→太郎平小屋 (11:50,12:25)―――→五光岩ベンチ(13:15)――→1971m三角点 (14:05)――→折立(15:05) 雲ノ平山荘から緩く下る木道を歩いて、薬師岳を正面に見ながら奥日本庭園、アラスカ庭園を過ぎる。踵から接地して速歩のように歩いていたら、濡れた下りの木道で滑り、ひっくり返ってしまった。ザックがクッションをしてくれて、何事もなくてよかった。 雲の平や太郎平の木道で、山慣れた登山者が滑って怪我をしている事を聞く。秋山の早朝に木道が霜で濡れている時に、特に滑り易い。木道に横桟が打ちつけられているが、とれている場所が多い。木道の表面に横溝が刻まれているところもあるが、大股で元気に歩く人ほど滑り易い。登山本に書いてあるように、小股で足裏全体をつけるようにして歩きましょう。 カベッケヶ原を越えて、薬師沢の左俣出合を徒渉する。さらに中俣を2回続けて徒渉してから、山腹を右に巻きながら登っていくと、太郎平小屋の横に出る。ベンチの前で休憩する。後は往路を折立まで、休憩なしで下る。何人もの人を追い抜いた。折立から車で富山市まで戻る。 |
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