利尻山
関係市町村のホームページから、下記の情報を見ることができる。
りしぷら

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登山コース


アクセスと山麓の宿

飛行機・船:羽田空港、大阪(伊丹・関西・神戸)空港、名古屋空港およびいくつかの地方空港から新千歳空港へ飛行便が出ている。また便数は少ないが、羽田空港、関西空港、名古屋空港から稚内空港へ飛行便が出ている。千歳空港あるいは丘珠空港から利尻空港便に乗り換える。また、稚内港から利尻島鴛泊(おしどまり)港へ船便が出ている。
山麓の宿:
鴛泊港付近にはホテル、旅館や民宿がある。予約時に利尻北麓野営場まで送迎してくれるかを、確認しておこう。野営場でテント泊するのも楽しい。 


登山地図と登山コース

登山地図   GPS 鳥瞰図(カシミール3D)  高低図
 利尻北麓野営場が登山口になっている鴛泊(おしどまり)コースはフェリーターミナルに近い上に、安全で多くの人が利用する。一方、島の西側から登る沓形(くつがけ)コースは登山口までの距離が長く、急峻な尾根を登り上部では崩落の危険性がある。島内3泊4日の日程で鴛泊コースを薦める。

 連泊すると野営場まで送迎してくれる宿が多いので、予約の際に確かめておこう。なお、トイレは各ブースで携帯トイレを使うことがルールになっている。フェリーターミナルや野営場の管理棟で売っている(1個400円位)。トイレブースは、避難小屋と9合目にある。                                
 登山口にある北麓野営場のテントサイトは土であるが、日本森林浴の森百選に選ばれており気持ちが良い。炊事場と水洗トイレが完備しており、管理棟ではビールなどの飲み物を買うことができる。

 食料を用意して前日に野営場まで入っておき、翌日にナップザックを担いで登頂するのがベストである。その際には、LPGカートリッジを空港の売店や島内のホームセンターで買うことを忘れないようにする。登頂には往復10時間位かかるので、朝の5時までには北麓野営場を出発しよう。
 


登山ガイド

アクセスと山麓の宿
 富山空港から新千歳空港乗り継ぎで、14時前に利尻空港に着く。空港でLPGカートリッジを買ってから、タクシーに乗る。途中のスーパーマーケットで惣菜を買ってから、利尻北麓野営場に着く。受付をすると、テント一人1泊300円なり。これは安い。北麓野営場までくる路線バスはないのでタクシーに乗るか、バス終点の利尻富士温泉で下りてから約2.5km歩く。

 キャンプ場は空いている。奥の草がまばらに生えた地点にテントを張る。甘露泉まであたりを散歩する。アルファ米を蒸したものにレトルトのハヤシライスをかけ、それに惣菜と野菜を添えて、夕食とする。余分に作った残りを、明日の弁当にする。
 
2007年7月8日 霧後晴
野営場(
4:15)――→六合目(5:40)――→七合目(6:15)――→

八合目(長官山)(
7:10, 7:20)――→避難小屋(7:35)――→九合目(8:00

―→山頂(
9:00,10:00)―→九合目(10:40)―→避難小屋(11:00,11:50

――→八合目(長官山)(
12:05)―→七合目(12:40)―→六合目(13:05

――→野営場(
14:15)
                                
 
 4時15分に野営場を出発して甘露泉で水を2リットル補給する。これから上に水場はない。姫沼分岐を右折して霧がかかる針葉樹林の中を登っていくと、途中で小雨がぱらついてきた。間もなく倒木のベンチがある四合目に着く。これから先、何合目かを示す表示が出ているので、確実に高度が稼げているのがわかり嬉しい。

 ここから傾斜が少しずつ増して行き、針葉樹林がダケカンバに変わり始めた所に五合目がある。30分位登り、幹や枝が下方にうねっているダケカンバの下をくぐりぬけると、六合目に出て視界が急に開ける。霧の上に出たようだ。標識に第一見晴台と書いてある通り、振り返るとフェリーターミナルとその先に礼文島がかすんで見える。
 
 背の高いハイマツのトンネルの下をくぐって急坂を登っていくと、七合目に着く。あたりはハイマツ帯に変わり視界が開けてくる。標識に七曲がりと書いてある。急斜面をジグザグに20分登り切ると、尾根上にある第二見晴台にでる。「ニセ八合目」と呼ばれているところである。さらにひと登りすると八合目の長官山に着く。目の前が急に開けて、利尻山とそこに通じる登山路が眺められる。10分間休憩する。

そこから少し下がった鞍部に利尻山避難小屋があり、横にトイレブースが備えられている。緊急避難時には、小屋に20人位は入ることができる。避難小屋を過ぎると、道がえぐられている上に砂礫に足をとられ易い。進むほどにハイマツ帯になり、登山道の両脇に色とりどりの高山植物が見え始める。足元の土が赤い火山礫に変わり、両側にロープが張ってある。右側の黒黄色の縞々ロープの外側は沓掛コースの崩壊地なので、絶対に近寄ってはいけない。左側のロープに沿って進むと、崩壊のために広場のようになった九合目に着く。

そこからは、赤茶色の火山礫が積もったズルズルと足が滑る登山道を急登する。足元をとられながら苦労して登ると、間もなく沓掛コースが右から合流する沓掛分岐に着く。両側が狭まり溝のようになっている崩壊地をずり落ちる火山礫と格闘しながら通過すると、頂上へ続く急な尾根道にでる。

 右側には太いロープが二本下がっているが、これらは下り用である。尾根の左側を登り頂上に近付くと、高山植物が目立つ。9時に大山神社が建つ頂上に着く。無事に登れたことを感謝してお祈りする。


南峰とロウソク岩

大山神社

 
 鞍部の先にある南峰は北峰より2m高いが、崩壊のために登ることはできない。頂上の西側は絶壁でローソク岩の向こう側に日本海が見下ろせる。周りの急斜面一帯にはいろいろな高山植物が群生している。この火山礫の上に、けなげに咲いている様は驚きである。頂上で1時間近くゆっくりした後、ズルズル滑る火山礫の道を九合目まで注意しながら下る。例年、厚く積もった火山礫の登下降の最中に足をくじく人が目立つので、十分に注意をしよう。

 利尻山避難小屋の前でゆっくり昼食を取り、来た道を戻る。野営場に14時15分に到着する。休憩後、道路を35分下った所にある利尻富士温泉で入浴後、野営場に戻る。歩いても歩いても野営場は遠くて、疲れてしまった。タクシーで戻るのがよかった。

 翌朝に鴛泊港から稚内へ向うフェリー船上から、利尻山の頂上は曇り隠れて見えなかった。今回の登山は、利尻山から羅臼岳、斜里岳、雌阿寒岳の順に登る。提供いただいた利尻町観光協会の写真4枚を載せる。



北麓野営場(利尻町観光案内所)

七合目から長官山の登り

長官山から頂上を望む

九合目広場

山頂直下の登り(利尻町観光協会)

沓形分岐(利尻町観光協会)

海上からの利尻山(利尻町観光協会)