羅臼岳 
関係市町村のホームページから、下記の情報を見ることができる。
知床羅臼ビジターセンター
知床斜里町観光協会

 アクセス:, ,  
山小屋
 宿泊施設・キャンプ場
登山コース


アクセスと山麓の宿

車:千歳空港で乗り換えて、女満別空港で降りる。レンタカーで網走、斜里、ウトロを経由して、岩尾別温泉ホテル地の涯(ちのはて)駐車場手前の路肩に駐車する。羅臼岳だけでなく、いくつかの山を合わせて登るようにしたい。
電車・バス:
千歳空港で乗り換えて、女満別空港で降りる。路線バスに乗ってウトロで降りる。または、札幌から知床までの都市間バス(札幌知床線イーグルライナー号)に乗って、ウトロで降りる。タクシーで岩尾別温泉羅臼岳登山口に着く。
山麓の宿:
岩尾別温泉にあるホテル地の涯(ちのはて)や木下小屋(素泊まり)に泊まる。テント泊する人には、ウトロに国設知床野営場がある。近くに、ウトロ温泉夕陽台の湯がある。 


登山地図と登山コース

登山地図
   
  GPS軌跡
 鳥瞰図(カシミール3D, 下図) 
   高低図
    
知床連山は知床半島の中央部を南北に走っているが、北に位置する羅臼岳はその最高峰である。

 登山ルートは東側の羅臼温泉から、西側の岩尾別温泉からと硫黄岳登山口から縦走する3ルートがある。これらの中で、岩尾別温泉からのルートは整備も行き届いている上に途中に水場があるので、ほとんどの人がこのルートを利用する。

 羅臼岳はヒグマの密度が高い。木下小屋に登山届を出す際に、ヒグマに関する情報を得ておこう。大沢の雪渓を登るが、7月までは雪渓が残り傾斜が結構強いので軽アイゼンがあると心強い。
 
 夏場の天気は岩尾別温泉側が安定しているとはいえ、オホーツク海高気圧が張り出すために、霧が発生しやすい。


登山ガイド

アクセスと山麓の宿
 2007年7月8日
利尻岳登山の翌朝、鴛泊港を840分の東日本カーフェリーに乗船して、稚内港に1020分に到着する。海上越えの利尻山の眺望を期待するも、山麓の合目ぐらいしか見えなかったのは残念である。稚内でレンタカーを借りて、宗谷岬からオホーツク街道をひた走る。サロマ湖沿岸の漁業林業保養施設に素泊まりできた。
 7月10日は一路羅臼岳のあるウトロに向かう。原生花園、能取湖、網走湖を見ながら網走市を通過する。小清水原生花園を過ぎ斜里町に入ると、あたりはビート、ビール麦、ジャガイモの花咲くモザイク様の畑が波打つように続く。左にオホーツク海を見ながら海沿いの334号線を進む。トンネル手前の山側にあるオシンコシンの滝を見学する。ウトロの道の駅で食べた海鮮定食はおいしかった。スーパーで夜の食材と翌日の弁当を買って、国設知床野営場にテントを張る。

 知床五湖を散策する。熊の出没のため湖しか回れなかった。晴れていれば見えるであろう知床二湖越えの羅臼岳から硫黄岳の三連山はまったく見えないし、小雨も降ってきた。テントに戻り、食事後、近くのウトロ温泉夕陽台の湯に入り寝る。

2007年7月11日 曇りのち晴れ
 
木下小屋7:00―→弥三吉水8:15―→銀冷水9:15―→大沢雪渓

―→
羅臼平10:15,10:25―→羅臼岳11:10,11:50―→羅臼平

12:25―→
大沢の雪渓―→銀冷水12:55―→弥三吉水13:20
―→
木下小屋14:05
  
                      

 
野営場を出発して、6時30分にホテル地の涯(ちのはて)駐車場手前の路肩に駐車する。岩尾別温泉は秘湯として知られているが、こんな奥深いところに立派なホテルがあることに驚く。ホテルの裏にある木下小屋の横から、登山道は延びている。「木下」の名は羅臼岳への登山路を開いた木下弥三吉にちなんだものであり、水場の弥三吉水にその名がついている。羅臼岳はヒグマの密度が高い。小屋に登山届を出す際に、ヒグマに関する情報を得ておこう。
 
 7時に木下小屋の脇から登り始める。急斜面をジグザグに登ると、尾根の上に出る。ミズナラやトドマツの混生する尾根を登っていく。周辺はヒグマの生息地なので、鈴を鳴らしながら、時々笛を吹きながら熊に自分の位置を知らせながら歩く。559mの岩塔の下を通り弥三吉峠を過ぎると、弥三吉水の水場に出る。ここで水を補給する。
 
 極楽平と呼ばれる一帯をゆるやかに登っていくと、仙人坂の急坂にかかる。それをジグザグに登り、傾斜がゆるむと銀冷水の水場に出る。9月には涸れていることが多いので注意しよう。ここから左に見える大沢の雪渓を登るが、7月までは雪渓が残り傾斜が結構強いので軽アイゼンがあると心強い。例年下りの際に、滑落事故が起こっている。大沢を登り切ると傾斜がゆるみエゾツツジが目立ってくる。間もなく出る三ツ峰分岐を進むと、すぐ羅臼平の一角に出る。左側には霧の合間に、三ツ峰を越えて硫黄岳への縦走路が見え隠れして見える。
 
 羅臼平には、羅臼から登ってくる道も合流する。ヒグマ対策のためにフードロッカーが設置されている。重荷の場合にはここにザックをデポしてから、頂上を往復してもよい。その際に、キタキツネに荷物を荒らされないように、またヒグマを引きつけないように、食料をフードロッカーに保管しておく。高山植物の咲くハイマツ帯をゆるやかに登って行くと、急に霧の上に出たようだ。それまで霧の中に見え隠れしていた岩塔(溶岩ドーム)を頂く羅臼岳の頂上が、目の前に聳えている。

 山頂が近づくに従って傾斜が強くなってくるが、岩清水の上部でいったん平らな場所(岩塔の基部)に出る。目の前には大きな岩が累々と積み重なった山頂部が見える。山頂直下では大岩の間を縫うように登るが、ルートを外さないで手足全体を使って岩の急斜面をよじ登る。羅臼岳の頂上は岩が積み重なった台地である。東側には根室海峡に浮かぶ北方領土の国後島と青いオホーツク海がかすんで見え、北東には三ツ峰から硫黄山に続く知床連山がつながって見える。昼食をとりながらこの素晴らしい景色に見とれる。
  
 帰りは往路を戻る。山頂直下の岩場の下りは慎重に通過したい。また、初夏には大
沢の雪渓の下りは滑りやすいので、滑落に注意すること。


 
どろどろの靴を洗い、野営場に15時に到着した。すぐにテントを車に積み、斜里岳へ向けて出発した。


木下小屋 

大沢の雪渓(斜里町観光協会) 

羅臼岳直下(斜里町観光協会)

山頂から見下ろす雲海

山頂の人形

硫黄岳に続く知床連山